オープンソースのつどい 2003 in 名大
昨日は「名大祭」真っ最中の名古屋大学へ
「オープンソースのつどい」を見学しに行きました
基調講演はTechStyle編集長の風穴 江氏
オープニングを飾るに相応しく「オープンソース」の定義を話題にとりあげ
今でもこの語がマスコミに間違ったまま使われているということを取り上げ
この講演での定義については後続の講演者も度々言及していました。
ストールマンのフリーソフトウェアもよく誤用される
言葉は難しい
マイクロソフトのシェアードコードはぜんぜん「シェア」ではない
と言う風穴氏の言葉を聞いて思ったのが、もしかしたらこのシェアードコードという言葉の方が「オープンソース」の特性をよく表しているかもしれないということ。でも、やっぱり完璧には表しきれないか... シェアというのが、どのあたりまでシェアすることが「シェア」なのかという印象は人によって違うだろうし...
もっとも、マスコミの誤用法だけに関わらず、「オープンソース」本来の定義そのものも拡大されたり、後から条件が加わったりと、いろいろ変化しているし、やはり言葉は難しい
(類似の例は「シェアウェア」という言葉で、これもさんざん雑誌などを悩ませてきた)
続いたのは、ガラパゴス・システムズ社代表、佐藤徹氏の「DarwinとMac OS Xにおけるオープンソース戦略」
前の講演を引き継ぐ形で、「オープンソース not equal 無料ソフト」、「オープンソース not equal ただ働き」を実践する代表例、DarwinとMac OS Xをとりあげ、その成り立ちなどを話しました。
「Darwinは言ってみれば、単独のスポンサーを取っているオープンソースプロジェクト」という表現はなかなかよかったかも。
その日、最後に講演を行ったのはハッカー魂を力強く感じさせてくれた(株)創夢のコンサルタント、蛯原 純氏の講演。
NetBSDプロジェクトの概要と近況を紹介して、とにかくもう使われなくなってしまったようなコンピューターがあったら、その上でNetBSDを動かしたい。まだ、NetBSDが動いていない珍しいパソコンがあれば提供して欲しい。本人がNetBSDプロジェクトはパソコンのリサイクル活動のようなものだといったことを言っていたが、実際、会場には最新のPowerBook G4(12インチ)以外にも、ソニーのNEWSやらPC-98ノート、ポケットPC搭載HPC、HP-LXシリーズ、さらにはSegaのゲーム機などで動くNetBSDも展示されていた。
NetBSDの移植の際、遅いマシンだとカーネルのコンパイルだけでも20日前後かかるものもあるらしく、移植は地道な作業。しかし、最近ではクロスコンパイラーなどを使うことによって、開発効率がかなりあがっているらしい。
講演中、同じプロジェクトの仲間と行った「今、一番コンパイルが遅いマシンは?」、「5時間?」、「それは速いよね?」、「え、Mozillaの起動に5時間?」というやりとりには場内大爆笑。IT業界の流れとは逆行しているけれど、それもあそこまで突き抜けると、気持ち良い。
ちなみに同氏によれば、今、NetBSDプロジェクトで結構ホットなマシンが68010搭載のSun 2らしい。
1つ意外だったのが、佐藤氏のスライドにレッシグ氏などの書籍などはでてきたものの、レッシグ氏やらコモンズ、EFFといった話題は取り上げられず、Blogを使っていそうな人もほとんどいなかったこと。
たしかに、NetBSDなどではWebブラウジングもlynxなどテキストベースのものが主体になるのだろうし、Bloggingは難しいかもしれないが、議論や意見交換をするのに結構、便利だと思うんだけれどなぁ...
なお、イベントの詳細は会場まで連れていってくれたDANBOさんの「DANBOの日記」でも詳しく報じられています。