FirefoxがAppleを抜いた日

ちょっと前まで、私のFlickrで一番ビューが多かったのは、こちらの写真だ:

a vehicle found near the Moscone Center

San FranciscoのMocone Center(MacworldやWWDCの会場)の近くで見つけた車の写真だ。
Cult of Macの筆者、Leander Kahneyに教えたら、彼が喜んでCult of Mac blogで紹介したこともあって、一気にビューが増えた。

その後、2代目のMacBook ProでiSightのインジケーターが消えたことを紹介した写真が、Engadgetで紹介され、これが1位の座を奪ってしまったが、それでもApple Carの写真は約5200ビューとFavorite印22個で、上位5位くらいには食い込んでいた。

ところが、先日のMozilla24で状況が一気に変わった。

同イベントで展示されていたFirefoxのシールが貼られたCelicaの写真を撮ってflickrにアップしたところ、それがGen Kanaiのブログで紹介され、そこから一気に世界中に広まった。

Gen Kanai weblog: FIREFOX CELICA

ちなみにこちらの写真だ。
Firefox car found@Firefox ROCK FEST! (Mozilla24)

一昨日くらいまでの段階では、2500 Viewくらいで、まだまだApple Carの方が優勢を保っていたが、昨日の段階ではApple Carを超えて6000 Viewくらいになり、今では一桁多い8万ビューに突入、わずか2〜3日で私のFlickrで、もっとも見られている写真の座を奪ってしまったのだ。

Apple Carよりも、Firefox Carの方が、はるかにスピードが速かったのは、何も車種のせいだけではない。
Mozillaコミュニティーの結束力の強さ、そして同コミュニティーとCreative Commonsとの親和性の高さも関係あるのではなかろうか。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月20日 | Permalink

携帯AdSense登場で気になる携帯対応ブログ

今日のGoogleには驚かされた。矢継ぎ早に3つも新サービスを発表したのだ。
たしかにこれまでもGoogleは、同じ日にポロポロと、いろいろなサービスを同時発表することが度々、あったけれど、今回はどの発表も個人的にヒット。

まず1つめの発表は、携帯電話向けのAdSenseサービスだ。
この発表については、ascii.jpの記事に個人的分析と共にまとめたので、よければそちらを参照して欲しい(ただし、2P目の見出しは私が付けたものではない..のに、変更不可だそうだ):
ケータイの収入モデル変える? モバイル向け「Google AdSense」が日本上陸

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このニュースを書き上げた直後、次の発表が届いた。
「Googleドキュメント」にプレゼンテーション機能追加の発表。

  • インターネットの接続があれば、いつでも、どこからでもプレゼンテーションの作成、保存、アクセスができます
  • 簡単に遅れるメールの招待状により、同僚や友達など、他のユーザーとの共有や管理を簡単に行えます
  • オンラインで共有者と同時に別の場所からひとつのプレゼンテーションを編集することもできますし、別々に行うこともできます
  • 特別な設定を必要とせずに、インターネット上の全てのユーザーに向けてプレゼンテーションを公開することができます
  • パソコン上にある既存のプレゼンテーションをアップロードすることもできます
  • 特定のユーザーだけに公開することも、不特定多数のユーザーに公開することも、誰とも共有しないことも可能です



といったもので、PowerPointのプレゼンテーションを読み込ませることもできる。

Presen




ここで大慌てしていたら、さらに追い討ちをかけるようにGoogleカレンダーの携帯電話対応が発表された!

この3番目、Googleカレンダーの携帯電話対応は、モバイル系の発表会があるたびに、Googleの人にリクエストしていたので個人的に非常にうれしい。

最近、すっかり外出先でのスケジュール管理がiPhoneに移行しつつあったが、iPhoneはバッテリーの持ちの良さ(国内ではSIMカードを入れておくとバッテリーの減りが早いが、抜くと長持ちする)に甘えて、ついついMacとつながず充電も同期もしていないことが多く「肝心のスケジュールが入っていなかった!」ということが多い。
 その度に無線LANホットスポットを探しに行くのは大変だが、今日からは愛用のW41CAを使って(まだW51CAにするか、W52CAにするかで悩んでいて機種変更をしていない)予定が確認できる。

Gcmjpg




 おまけに予定の入力方法は、ちょっとNewtonっぽい(Newtonはアップル社が'94年頃に発表した元祖PDA)。

 「Dinner with Michael 7pm tomorrow」といった具合に入力すると、勝手に予定が入力される。
(もっともNewtonはDinnerと書いただけで、とりあえず夜の7時くらいに予定を入れておくことが、また夜8時以降なら自動的に翌日の夜7時に予定を入れる機能もあったけれど。こんなのは簡単に実現できるはずだ)。

 唯一、不満点を言えば、複数のカレンダーのうち、どのカレンダーに予定を入れるかを指定できないことだ(Settingにあるかと思ったのだが、ないようだ)。
 現在の設定では入力した予定はパブリックなカレンダーに入力されてしまうようになっているので、NDAが絡む予定や特定個人・企業が絡む予定が入れづらい。

さて、この3つの発表に絡めていくつか書きたいことがあるので、やや停滞中のWeb新連載の気分転換として「続きを読む」以下にまとめさせてもらおう。

ちなみにWeb新連載というのは、こちらだ:
ITpro:iPhoneの衝撃

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月19日 | Permalink

「見える」オープンソース

*UPDATED*FlickrにMozilla24のGroupをつくったので、末尾にそのことについて追記しました。
*UPDATE2*最後にグループプールのスライドショーを追加

Worldwide Continuous Event「Mozilla24」がついに開幕した。
FirefoxやらVLCやらFreemindなど、日頃、お世話になっているオープンソース。
これまで多くのユーザー(消費者)は、できあがったソフトにしか接することがなかった。
いや、実際に開発に関わっている人達もメールやコメントといったネット上の文字のやりとりでしか接していなかったことも多いかもしれない。
「Mozilla24」は、そんなオープンソースの向こう側にいる顔に出会えるイベントだ。

 つい先ほど、そのオープニングセッションが行われた。
IMG_3140.JPG
 Mozilla Japan代表理事の瀧田さんによるオープニングスピーチには、慶応大学の村井教授やGoogleの及川さんも登場。
 その後、IT先駆者として登場した、伊藤穰一さん、慶応の大川 恵子さん、時事通信社の湯川鶴章さんの3人が、学生からのオープンソースについての質問に答える、という形式のパネルディスカッションが行われた(内容の一部はTwitterで中継していた)。

 前にCNet Japanの記事で書いた通り、Global Studioの頑張りで、米国スタンフォード大学やフィリピン、タイ、マレーシアの会場ともリアルタイム中継で接続され、タイの学生からの質問に答える場面もあった。

 Mozilla24の日本国内での会場は、慶応大学東館Global Studio、九段下のベルサール九段、そして渋谷のSHIBUYA BOXX & SHIBUYA @FUTURE、そして関西では京都大学学術情報メディアセンター 南館201号室。
 それに加えて、Mozilla24のWebページからライブストリーミングという形で参加することも可能。

 テレビの24時間番組もいいけれど、参加可能で(おそらく)ヤラセ無し、おまけに世界にちょっとだけ貢献できるMozilla24も、あと20時間だけのイベントなので、どこかで参加できたらぜひ!



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月15日 | Permalink

iPhoneキラーではなかった、iPod touch

are you a phoner or a podder?

1つ前の記事、「iPhoneキラーはアップル自身から、iPod Touch登場!」は、昨日未明、スティーブ・ジョブズCEOの講演ストリーミングを見る前に、さまざまなチャット中継サイトの情報を元に書いた。

その後、数時間の睡眠を経て、講演の全容を見て、iPod touchの実機を触った今、この意見を180度変える必要が出てきた。

単純な製品発表のようで、実はこれだけ奥深いのもアップルの製品戦略のすごみだろう。

iPod touchは
iPhone マイナス 携帯電話機能(とモバイル端末機能)

とみることもできるが、iPhoneを基準に見た場合だ。
逆にiPodユーザーから見れば、iPod touchは、iPhoneライクなもっとも先進的なiPodということになる。

実際にiPod touchの発表は、非常に意義のある製品発表だ。
この発表によって、アップルの考えるところの「iPod」がなんであって、「iPhone」がなんであるかが、これまで以上に明確になった。

この当たりの詳細は、もうまもなくascii.jpに掲載される予定の筆者の記事を読んで欲しい。

このブログ記事の最初の執筆時点では、前編しかあがっていないが、後で中後編のリンクも用意します:
新ラインアップに“iPod”の真髄を見た(前編)

【UPDATE:中編が追加されました】iPod touchは、機能限定のiPhoneじゃない
【UPDATE:後編が追加されました】iPhoneはなぜ200ドル値下げされたのか


投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月07日 | Permalink

iPhoneキラーはアップル自身から、iPod Touch登場!

【UPDATE/こちらも参照:iPhoneキラーではなかった、iPod touch

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6月29日の発売から、常に注目を集め続けてきたiPhone。
しかし、そのiPhoneに強力なライバルが現れた。
なんと、アップル自身からの発表である。

今月、アップル社は新型iPod、iPod Touchを発売する。

そして、ついに日本でも、マルチタッチのiPod操作を誰でも楽しめるようになる。

この発表で、iPhoneがかすむことはないが、
iPhoneキラーを標榜していたライバル達は一気にかすんでしまった。

iPod Touchは、外観はiPhoneそっくりながら、8mm薄く仕上がっている。
カメラ機能はなくなり、代わりにカメラの位置に無線LANのアンテナが内蔵されている。
当然、Safari、YouTubeなどのアプリケーションも搭載している。

画面のインターフェースや操作方法などはiPhoneそっくり。
実質、iPhoneから通話機能とSMS機能、カメラとGoogle Map機能を除いたような印象だ。


 でも、実はカメラとGoogle Mapのできがいいので、iPhoneユーザーもiPhoneユーザーで、
 それなりに優位性が保てる。
 実際、ちょうどブログに書こうと思っていたが(時間がないので今は書かないが、
 iPhoneのGoogle Mapはかなりズバ抜けて凄い。

カメラ機能やGoogle Mapが不要という人は、iPod Touchでも十分楽しめるだろう。

 しかも、このiPod Touchから、iTunes Music Storeの楽曲を、iPod単体でそのまま購入する機能が追加される(iPhoneにも同様の機能が追加される)。

 おもしろいキャンペーンも始まった。

 Starbucksのコーヒーショップに行くと、iPod touch(やiPhone)にStarbucksのアイコンが現れ、Starbucksの音楽を購入できるようになる。

 Starbucksの音楽コンピレーションといえば、筆者が大好きだった「Hear Music」が編纂している。

これまで日本などの、米国外マーケットでは、「iPhoneが欲しい」という飢餓感がかなりあおられていたので、今月、iPod Touchが発売になった暁には、当分、売り切れ状態が続くんじゃないだろうか。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月06日 | Permalink