aikuchi:美しく魅せる「日本の美意識」
美しさを極めるには「覚悟」が必要だ。
その「覚悟」に惹かれたか昨晩の「aikuchi」発表会は人で溢れ返っていた。
「aikuchi」は気鋭の映像集団WOWの最新のプロジェクト。
私はWOWを紹介する時、ほぼ毎回「新鋭」、「気鋭」といった修飾語をつけてきたが、それは同社主導でつくったオリジナル映像作品に圧倒的な「鋭さ」を感じていたからだ。
そんな私が代表の高橋裕士氏のご実家が、1700年代から代々続く東北の刀匠だと知ったのは実はつい最近のこと。なるほどWOWの「鋭い美しさ」の源流に「鋭い美しさ」の象徴「刀」とのつながりがあったとは!思わずヒザを叩いてしまった。
元々、クライアント仕事の映像制作に加え、アートインスタレーションやアプリの開発(そして渋谷と仙台にある、あまりにも美しいオフィスのデザイン)と映像以外も色々手掛けてきた同社だが、その最新の作品がアート日本刀の「aikuchi」だ。
日本刀づくりの家で育ち、まさにその対極にあるようなフルデジタルの映像制作をつづけてきたWOWの高橋氏。だが、この数年のさまざまなできごともあり、後世に残る「モノ」をつくりたい意欲が湧いてきた、という。
その高橋さんが、このプロジェクトを通して伝えたかったことは3つ。1つ目は「日本の精神と美意識」、2つ目は「伝統と革新」そして3つ目は「世界に通じるビジュアルデザイン」。
その思いが結実した「aikuchi」は、東北の伝統工芸のクラフトマンシップと3Dスキャナーや3Dプリンターと言った最新テクノロジー、そしてWOWが持つ幅広いクリエイター人脈の融合によって生まれた作品だ。