どちらの気持ちもわかる

どっちの気持ちもわかるというテーマの話をいくつか。

今日は打ち合わせも足早に済ませ、「モダンって何?」の内覧会に向かった(詳細は前のエントリーを更新して書く予定)。
六本木ヒルズについて驚いたのがエスカレーターが封鎖されていて4階(メインとなるフロア)にあがれない。
どうも今日は風が強くて「危険」ということで事故予防のために4階デッキへのアクセスを封鎖していたようだ。


たしかにあそこのデッキはビル風が強い。とくにロクロクプラザ、Bouque of bouquetのあたりは風が強く、外に飾っているプランツが大事なのか人ごとながら心配になってしまう。
今日ほどでなくてもある程度、風の強い日なら身体を5度くらい傾けて歩ける。
(でも、私は何度か歩いているうちに風を避け、景色も楽しめるルートを独自に開拓したりしているので、それはそれで楽しい)。

あんな事故があった直後だし(いつまでが直後と言うのかは難しいが)、事故の可能性につながるものを見つけたら、それに対して最善の配慮をしなければ、それはそれで問題だろう。しかし、その一方で、歩き慣れて絶対に大丈夫という自信がある人間にはそれはそれで歯がゆい思いがある。


ちなみに森美術館も今日はオープン前日の特別内覧会ということもあって有名人も大勢来ており、おそらくMoMAから来たと思われるアメリカ人の団体も見かけた。美術館関係者と思しきドイツ人、フランス人の来客もたくさんいた。入場前にドリングフリーのチケットをもらっていたので、展覧会を出るとレセプションがあるのだろうと当たり前のように思っていたが、よくみると事故の直後につきレセプションなどの類いは一切やめている、とのこと。フリードリングのチケットは、六本木ヒルズ内のレストランやバーでドリンク1杯もらえるチケットだった。

ありがたくチケットを活用して、遅い夕食に食前酒をつけさせてもらったが、年に数回の企画展のオープニングにレセプションがないというのはなんだかちょっぴり残念。とても祝い事ができないような状況だというのは、わかることはわかるのだが...

もう1つは六本木ヒルズを離れて新規購入したRecPot-Mで録画した昨日のNHK hi(ハイビジョン放送)から...
(recpot-m購入についてもエントリーをしなければ、こちらのコメント欄には書いているのですが...

番組名は「ハイビジョンスペシャル 『小さな狂言師 誕生』」。

野村萬斎とその長男、そして父が親子三代で演じる『ござる乃座 狂言三代』 の初舞台の舞台裏を紹介した番組で、番組の最後にその舞台の様子も紹介すると言う内容。まるでプロジェクトXを見せられた後に、その作品/製品をじっくり見るようなもので、裏のストーリーを知っているだけに余計に舞台に見入ってしまう、というにくいつくりの番組だ。

どちらの気持ちもわかる、というのは野村萬斎の気持ちと長男の気持ち。
なんでも、野村家では、代々3歳になると、この「こざる」の役をやらされるようなのだが、その舞台稽古はなかなかに厳しい。
車での移動等で疲れた子供がついつい演技を忘れてしまって動かなかったりする気持ちもわかれば、初舞台が近づいてくるにつれてお客様に最高の舞台を見せなければならないと子供に厳しくあたる萬斎の気持ちもわかる。

舞台10日前になっても形が決まらない萬斎の目がつりあがり、殺気立ち、食事の間も惜しんで厳しく指導する萬斎の気持ちもわかるが、泣きながら「はい、わかりました」と応える子供もけなげで胸があつくなる。

RecPot Mは番組単位での消去機能がなく、容量が足りなくなってくると、ロックしていない番組から上書き消去される、という仕様だが、ついこの番組はロックしてしまった...

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2004年04月28日 | Permalink